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黙視論購入。

一肇(にのまえ はじめ)、KADOKAWA角川書店)「黙視論」(ソフトカバー単行本)

黙視論

黙視論

電子書籍文芸雑誌「文芸カドカワ」においての連載から2年ぶりの刊行。どうやら何回か改稿を重ねていたらしく設定も変更されていますし連載版とはほぼ別物ですね。
リドルストーリーを取っており明確な犯人は示されていないけれど、正体は何度か読むとこの人しかいないという感じになってくる。
また、暴想シリーズ第2弾ということで、少女キネマとの直接の繋がりはないのだが主人公の思いに焦点を当てているということは共通している。

数年前のとある出来事で積極的に話すことを辞めた少女「未尽」。(授業などどうしても喋らざるを得ない時以外は黙って表情や行動で感情などを表現する)
秀才の兄がもう家族のために自己犠牲をしているっていうのが判明するのだけど、未尽に諭す場面が好きだなあ…。加えて未尽が後妻に言葉を出して感謝するところも。

面白かったけれど、少女キネマに比べ勢いでカタルシスはないという感じですね、じわじわしみじみ面白い。

「悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!」の感想。

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです! 著:矢御あやせ イラスト:東条さかな(宝島社)

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!

小説家になろうで連載しているWeb小説で第4回ネット小説大賞受賞作作品。
SNSのトピックで流れてきた、気になるタイトルと、東条さかなさんの美麗イラストで気になり原作小説を小説家になろうで読んだところ、気に入ったので購入。
結論から言えば書籍版を買って良かったほど面白かった。女性向きかもしれんが女性じゃなくても面白い作品だった。

プレイした乙女ゲームの主人公の悪役である令嬢の幼少期に転生した元OLの女性が主人公のお話。
舞台は現代の大富豪の家だけれど、母親とその転生した令嬢の関係性が家庭環境のせいか、最悪でその令嬢の鬱憤が周囲に当たってしまいなおさら色々関係性が悪化しているという悪循環となっている…という流れ。

その流れを大富豪だからこそのおいしい御飯やおかずが食べられたり、庶民的な食べ物を食べたいと願うという天真爛漫さで打ち破っていく悪役令嬢・江梨子様が面白いしかわいい。打ち破った結果グレてしまう弟は真面目君になり、中が良くなかったお母様の心のストレスを取り払ったりしたり、ヒロインと仲良くなるし、ヒーローとも仲良くなって同盟を組むまでになってしまう流れが素晴らしく面白い。お母様豪快になっててギャップに尚更笑ってしまうほど面白い。
メイドのあかりさんも好きなキャラでこの人も深層心理では転生しているらしく…、書籍版独自でいえば江梨子様火事を起こしてしまうところは、まあさすがに繰り返し反省しっぱなしなんだけどあかりさんが江梨子様を優しく包み込む姿がいいなあ。もうひとりの母親だよ…。Web版ではなにげに重要人物みたいだけど書籍版ではどうなるのか楽しみ。

他の書籍版独自の描写でそよちゃんの人見知りへの対策はロボットじゃなくて一人授業になったのは個人的には書籍版独自の改良点ではないのかなあと、高崎先生とあかりさんとの絡みが出来たりして、ドタバタギャグもいいけど話の複雑性が出て重みが増したような気もする。

江梨子様と聖の恋愛もそうだが、浩介もつぐみの恋愛について進展してほしいな、自分を高めるよりも勇気を奮い立たせればすぐ落ちる気もする…。書き下ろしのエピソード、スーパーアジフライの話もバランスよく出番があってかつ面白くて満足。

イラストについては、栗まんじゅうを四人で掲げているところも大好きなのだし、あかりさんと江梨子様が二人で御飯を食べている所のイラストも大好きなのだけれど、強いて言えば、聖と江梨子様がラーメンを一緒に食べているイラストがたまらなく好きだ。ふうふうと食べている江梨子様が聖を見てるところがたまらなく可愛い。東条さかなさんのイラスト改めて最高だったと言いたい。

宝島社の単行本は一定のペースで出るかはわからないんだけど、次巻を絶対出して欲しいなあと切に願っている。東条さかなさんのイラストも楽しみなので。

山本寛監督オリジナル劇場版アニメ「薄暮」クラウドファンディング達成!

2月25日から4月29日までの期間を区切りとしてスタートした1500万円を募集するアニメの製作資金を支援するクラウドファンディング
最終的に支援総額2103万6500円、パトロン(支援者)数を延べ1225人(重複あり)を集め、目標額を603万6500円を上回りパーセンテージとして140%を叩き出してクラウドファンディングとして成功して募集を終了。

支援した身としては当初はスタートダッシュをしていたものの、途中ニコ生での宣伝が1ヶ月ないなど宣伝がなくなり停滞しはじめてマズイと感じていたので途中宣伝活動を草の根でやり始めた以後、尻上がりに支援額が増え、最終的にクラウドファンディングが成功したのはとてもうれしい。達成した以後は完成したものが気になるわけだけど、アニメが完成して、作品の内容のクオリティのUP、大体の人がみんな幸せになる興行的・名声的成功をして欲しい気分もあるなあ。色々頑張っているにも関わらず意味不明な難癖で足を引っ張る人も多いので、山本監督には報われ欲しいんですよね。

監督自ら手配布でフライヤーを街頭配布したり毎日ネットの生放送をしたり草の根運動の成功の貢献は非常に高かったと思うのでまた続けて欲しいです。これからも応援しています。

達成した以後、つかさ製菓さんしかいない製作委員会に、外から出資させてくださいという企業が現れているというし制作資金の方は問題なさそう。(出典:「ヤマキャス感謝祭(2017年4月30日配信)」→http://twitcasting.tv/yamacane_0901/movie/368590264

2017年5月1日までに発表になっているスタッフ・キャスト

  • 薄暮」スタッフ
    • 原作・監督・脚本・音響監督 - 山本寛
    • キャラクターデザイン - 近岡直
    • 色彩設計 - 村口冬仁
    • 音響演出 - 山田陽
    • 音楽 - 鹿野草平
    • アニメーション制作 - Twilight Studio

音楽の鹿野さんは想定の範囲内で、キャストも概ねありそうだと思っていたのですが、雨宮さんは驚きました。音響演出の山田さんは山本監督作品で録音調整をなさっている事が多い方ですね。TwilightStudioは株式会社山本寛事務所の一部門として設立するそうで新設スタジオのようです。クラウドファンディングが成功したので運転資金が入った事により円滑に動きそうで、諸々含めて期待が高まります。頑張って欲しいな。

リビティウム皇国のブタクサ姫1-3巻感想

リビティウム皇国のブタクサ姫 1

リビティウム皇国のブタクサ姫 1

リビティウム皇国のブタクサ姫 2

リビティウム皇国のブタクサ姫 2

リビティウム皇国のブタクサ姫 3 (モーニングスターブックス)

リビティウム皇国のブタクサ姫 3 (モーニングスターブックス)

リビティウム皇国のブタクサ姫 4 (モーニングスターブックス)

リビティウム皇国のブタクサ姫 4 (モーニングスターブックス)

リビティウム皇国のブタクサ姫 作者;佐崎一路、イラスト:まりも(モーニングスターブックス/新紀元社

小説家になろう連載作品。作者の前作なろうコン受賞作の「吸血姫は薔薇色の夢をみる」の同じ世界観だが100年は時代は下るという世界観を下敷きにしており、主人公は地方領主の娘に現代日本の男子高校生が異世界転生してしまう。その娘一行は賊に襲われており娘も一度は命は失っていたものの通りすがりのある人物に命を救われ、森に住んでいた魔女に住み込むことになるが…という導入のあらすじ。TSFとも言えなくもないが、主人公が染まっていて男子高校生らしさが消えており、現代日本の知識を利用した以外にはあまり設定を活かしきれてない感じがする。それを補うにあまりある面白さがあるのでまあいいのですが、魔女も色々謎をかかえておりその影響で主人公も鍛えられたのちに別の姉弟子に預けられたりしてシルティアーナ姫、ジルなど名前がかなり変わっていたりするのが面白い。

書籍版のオリジナルキャラクターがおり、2巻以降では小説家になろう版との設定の変更に差異が見られ、4巻に至っては大幅改稿するようです。4巻にあたる部分が小説家になろうでの連載であまりに長期の連載間隔で評判が落ちていたのもあるのでしょうが、面白かったので色々もったいないですね。実の親には手元に置いていなかったという負い目があるにせよ、主人公と再会する展開がきて幸せになってもらいたいなあ。

吸血姫は薔薇色の夢をみる 1 イノセント・ヴァンパイア

吸血姫は薔薇色の夢をみる 1 イノセント・ヴァンパイア

転生したら剣でした1・2巻感想。

転生したら剣でした 1 (GCノベルズ)

転生したら剣でした 1 (GCノベルズ)

転生したら剣でした 2 (GCノベルズ)

転生したら剣でした 2 (GCノベルズ)

転生したら剣でした(原作:棚架ユウ、イラスト:るろお)

デンシバーズ(幻冬舎コミックス)でどの週かの金曜日に更新される漫画版(http://denshi-birz.com/tenken/)から小説家になろうの連載(http://ncode.syosetu.com/n6006cw/)を読み、気に入ったので書籍版も購入。
個人的にはイラストがムシウタのるろおさんが担当ということで嬉しかったのだけれど、1巻にはあった2巻には口絵がなくなっていたのが残念。

無機物つまり剣に異世界転生した男の話だけれど、転生前のエピソード記憶はないらしいので根本は謎につつまれているのが読ませるポイント。最初は剣単独で動けることもあり、周辺にいる魔獣を狩っていたものの奴隷商人に捕まっていた獣人の黒猫のフランと出会う。その後フランを世話しながら鍛えていきフランも活躍するという展開が好きだなあ。書籍では2巻しか出ていないので序盤も良い所なので続刊が出て欲しいところ、漫画連載と単行本化も楽しみだけれど、書籍版の続刊が出て欲しい。。フランだけじゃなく、アマンダのイラストも結構好みだなあ、儚げな表情からどうテンション高くなるのか気になる。

書籍加筆修正は、書籍版でゴブリンが邪人となってあり一部設定変更がある模様。加筆は大きくはあるわけではないかな。

カドカワBOOKSの「寄生してレベル上げたんだが、育ちすぎたかもしれない」1・2巻感想

カドカワBOOKS寄生してレベル上げたんだが、育ちすぎたかもしれない」作者:伊垣久大、イラスト:そりむらようじ

就職浪人からニートになってしまったとある男「エイシ・チョウカイ」が別世界の神様のミスで地球から異世界へ転移させられてしまったが、地球には帰れないものの、ミスへの計らいでこの世界で生きるためのスキルを与えられるも「パラサイト」という謎の能力を与えられる。その能力を以ってこの世界を生きるというお話。

レベル表示やスキルが普通にある世界というRPG風世界観だが、ただこのパラサイトというスキルはかなりの優遇スキルだな。他人に寄生すれば自動的にレベルが上がっていくし、その他人がもっている職業(スキル)に付随する能力も付くのだから。さらに寄生者にエイシを寄生させる「二重寄生」という手段を使うとエイシが得る経験値は4倍になるというチートスキル。(でも寄生される側も普段の2倍は経験値もらっている)

でもエイシが街の冒険者と組むことによって街の冒険者全体の能力が上がっていて、街全体で防衛にあたるという展開が好きなので単行本も購入した。メインヒロインがもうあざとかわいい感じで最初からベタ惚れですねえ。単行本では2巻に単行本版のオリジナルキャラが出て来るがこれも悪くない。女神ルーが地上に降りたことで、世界の瘴気を換気する者がいなくなってしまったがはてさて…。寄生するというのがメインなので寄生でレベルアップする展開はもっと見たいところ。いつもつるんでいるメンバーくらいはエイシに準じるところまでは引き上げてほしい。Web版滞りがちだけれど再開してほしいなあ。

小説家になろうで読んでみて気に入ったので。

聖女の魔力は万能です (カドカワBOOKS)

聖女の魔力は万能です (カドカワBOOKS)

聖女の魔力は万能です(作者: 橘由華、イラスト:珠梨やすゆき、カドカワBOOKSレーベル)

レベルがガンガン上がっていくのと、一般人でいようとするのに人助けしてしまい聖女であることがバレてしまうっていうところが好きだなあ。
まあレベルやステータスがわかるっていうRPGあるあるネタは割り切っている。
第一王子の馬鹿さ加減は…治らないだろうな。

たぶん聖女とバレたことで戦場にいくことで他の能力もガンガン伸びるのだろうし、もうひとり召喚された女の子と協力する場面があったらいいし、第一王子の婚約者も報われてほしいなど色々読んでみたいが、小説家になろうでの連載が停滞気味なので次巻が出るのがいつになるかわからないのが辛いところ。
あとイラストがかわいいのが買ってとても良かったと思うポイント。喪女っていうが召喚された直後も凄いかわいいイラストだった。
次巻のイラストも楽しみではある。