一肇(にのまえ はじめ)、KADOKAWA(角川書店)「黙視論」(ソフトカバー単行本)
- 作者: 一肇
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/05/31
- メディア: 単行本
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電子書籍文芸雑誌「文芸カドカワ」においての連載から2年ぶりの刊行。どうやら何回か改稿を重ねていたらしく設定も変更されていますし連載版とはほぼ別物ですね。
リドルストーリーを取っており明確な犯人は示されていないけれど、正体は何度か読むとこの人しかいないという感じになってくる。
また、暴想シリーズ第2弾ということで、少女キネマとの直接の繋がりはないのだが主人公の思いに焦点を当てているということは共通している。
数年前のとある出来事で積極的に話すことを辞めた少女「未尽」。(授業などどうしても喋らざるを得ない時以外は黙って表情や行動で感情などを表現する)
秀才の兄がもう家族のために自己犠牲をしているっていうのが判明するのだけど、未尽に諭す場面が好きだなあ…。加えて未尽が後妻に言葉を出して感謝するところも。
面白かったけれど、少女キネマに比べ勢いでカタルシスはないという感じですね、じわじわしみじみ面白い。