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「悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!」の感想。

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです! 著:矢御あやせ イラスト:東条さかな(宝島社)

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!

悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!

小説家になろうで連載しているWeb小説で第4回ネット小説大賞受賞作作品。
SNSのトピックで流れてきた、気になるタイトルと、東条さかなさんの美麗イラストで気になり原作小説を小説家になろうで読んだところ、気に入ったので購入。
結論から言えば書籍版を買って良かったほど面白かった。女性向きかもしれんが女性じゃなくても面白い作品だった。

プレイした乙女ゲームの主人公の悪役である令嬢の幼少期に転生した元OLの女性が主人公のお話。
舞台は現代の大富豪の家だけれど、母親とその転生した令嬢の関係性が家庭環境のせいか、最悪でその令嬢の鬱憤が周囲に当たってしまいなおさら色々関係性が悪化しているという悪循環となっている…という流れ。

その流れを大富豪だからこそのおいしい御飯やおかずが食べられたり、庶民的な食べ物を食べたいと願うという天真爛漫さで打ち破っていく悪役令嬢・江梨子様が面白いしかわいい。打ち破った結果グレてしまう弟は真面目君になり、中が良くなかったお母様の心のストレスを取り払ったりしたり、ヒロインと仲良くなるし、ヒーローとも仲良くなって同盟を組むまでになってしまう流れが素晴らしく面白い。お母様豪快になっててギャップに尚更笑ってしまうほど面白い。
メイドのあかりさんも好きなキャラでこの人も深層心理では転生しているらしく…、書籍版独自でいえば江梨子様火事を起こしてしまうところは、まあさすがに繰り返し反省しっぱなしなんだけどあかりさんが江梨子様を優しく包み込む姿がいいなあ。もうひとりの母親だよ…。Web版ではなにげに重要人物みたいだけど書籍版ではどうなるのか楽しみ。

他の書籍版独自の描写でそよちゃんの人見知りへの対策はロボットじゃなくて一人授業になったのは個人的には書籍版独自の改良点ではないのかなあと、高崎先生とあかりさんとの絡みが出来たりして、ドタバタギャグもいいけど話の複雑性が出て重みが増したような気もする。

江梨子様と聖の恋愛もそうだが、浩介もつぐみの恋愛について進展してほしいな、自分を高めるよりも勇気を奮い立たせればすぐ落ちる気もする…。書き下ろしのエピソード、スーパーアジフライの話もバランスよく出番があってかつ面白くて満足。

イラストについては、栗まんじゅうを四人で掲げているところも大好きなのだし、あかりさんと江梨子様が二人で御飯を食べている所のイラストも大好きなのだけれど、強いて言えば、聖と江梨子様がラーメンを一緒に食べているイラストがたまらなく好きだ。ふうふうと食べている江梨子様が聖を見てるところがたまらなく可愛い。東条さかなさんのイラスト改めて最高だったと言いたい。

宝島社の単行本は一定のペースで出るかはわからないんだけど、次巻を絶対出して欲しいなあと切に願っている。東条さかなさんのイラストも楽しみなので。